汗、光、雨、ブレスレット・腕時計、バッグ・買い物袋、着用摩擦、着用方法など
1)汗
A) 汗は脇下、背中心、肩に出やすい。
B) 紳士服で両胸に発生することがあるが、これは腕組をしたときの掌の汗による。
C) 汗中の塩化ナトリウムの残留による脇下の白い輪ジミは婦人服に多い。
D) 汗中のアミノ酸による変色も脇下に多く認められる。
E) 汗のみが原因の場合、内側のほうが変化が激しいことが多い。
2)光
A) 光の作用は肩が目立つ。ハンガーに吊り下げられていて上から照明があたるため。
B) ラペルを持ち上げるとその下の身頃は変色していないことが多い。
3)雨
A) 一般的には肩・胸・背に暗色化したシミとして生じやすい。
B) シミは斑状もしくは広い面積を覆うように発生しやすい。
C) 酸性雨による変色の可能性も考慮する。
4)ブレスレット・腕時計
A) 金属製ブレスレットや時計バンドはスナッグや毛羽立ちの原因となることがある。
5)バッグ・買い物袋
A) バッグの縫い糸の留め部分でスナッグを生じることがある。
B) バッグ類との摩擦で、ピリングや毛羽立ちを生じることがある。
C) バッグ類からの汚染を受けることがある。
6)着用摩擦
A) 身頃で摩擦損傷を生じやすいのは裾折り返し部分である。特に中綿入りの厚みのある裾では、数センチ間隔でポツポツと小穴を生じることがある。
B) 綿コートの裾でもポツポツと小穴を生じ、その後折目に沿って線状に擦り切れる。
C) リュックサックで背中にフェルト化を生じることがある。
D) 肩部分にショルダーバッグやリュックのストラップによる毛羽立ちや擦り切れを生じることがある。
7)着用方法
A) 起毛製品では、前立て端、ポケット口などに毛羽の消失を生じる。
B) ポケットに定期入れ・財布・ハンカチ・携帯電話・キーケースなどをを入れたり、机などにもたれる着方をすると発生しやすくなる。
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