事例1 | 真鍮ファスナーによる変色 |
事例2 | エリ・カフスワイヤーの収縮 |
事例3 | 革パーツの色泣き |
事例4 | スリット糸光沢消失 |
事例5 | ビーズの変色 |
その他参考事例 | PVCの硬化/アクリルファーの熱変形 |
本来、ワイシャツのクリーニングには多くの工程があり、処理時間・光熱費・人件費などを考慮するとかなりのコストとなり、現状のクリーニング料金は処理内容に見合ったものではない。
しかし、一般サラリーマンにとって着替えの頻度が高いワイシャツに、作業内容に見合った料金を求めることは実情に即していないため、どこのクリーニング業者も赤字ギリギリの「超薄利多売」のため、徹底して機械化し、コストダウンを図っている。これによって、100~200円程度の超低料金を実現しているが、この工程から少しでも外れる処理を行おうとすると途端にコストが跳ね上がることになる。
例えば、「大量に処理したシャツの中から特定のシャツだけ選び出して、濡れがけプレスを行わない」という作業をするだけでも、非常に「手間」な作業となる。
また、綿素材の衿・カフスをキレイに仕上げるには、低温当て布アイロンでは不可能で、湿らせた状態で高温の乾熱アイロンが必要となる。
そういう意味で「三ッ山プレス機」や「ボディプレス機」を用いた「濡れがけ」は「低コスト大量生産」には欠かせない工程である。
ワイシャツ扱いでは、パート従業員の時給から、「仕上げのみ」にかかるワイシャツ1枚当たりの人件費は20~30円(時給800円、30~40枚/時として)。
ドレスシャツ扱いで「仕上げ職人(日給2万円~/8時間労働)」が、完全ハンドアイロンで仕上げた場合の1枚当たりの「仕上げのみのコスト」は、約200円(1時間に十数枚仕上げるとして)。
実際には、これに洗いの人件費、水道光熱費、洗剤・助剤・漂白剤・糊材・包装資材コスト、営業コスト(営業店舗賃借料・受付人件費・宣伝費・レジ関連経費など)、営業店と工場の配送コスト、各種機械の償却・・・、となるとワイシャツとは、いかほども利益が上がらないどころか、下手をすれば完全な赤字のアイテムであることが判るであろう。
ブレザーをドライクリーニングした場合 | 受付→点検→ドライクリーニング(石油系の場合、洗浄~脱液まで約15~20分)→乾燥(約30分)→仕上げ(人体やスチームボックス、トンネル+アイロンによる手直し)、点検→包装→納品 |
ワイシャツをランドリー処理した場合 | ここを参照 非常に機械化され、コストを抑えているが、標準処理ラインから外れるような事は出来ない。 |
ドレスシャツ扱いした場合の処理 | ここを参照 ハンドアイロンによる仕上げは、非常に生産効率が悪い。 |
掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。