]

20年度

第1回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 プリントスカート色泣き
事例2 Tシャツの部分脱色 
事例3 デニムパンツから色移り 
事例4 メンズパンツの部分変色 
事例5 コート保管中の変色 
事例6 ジャケット保管中の変色

事例1 プリントスカート色泣き

事例データ
商品 スカート
苦情内容 着用中雨に濡れたらプリント部分から色泣きが発生した。
組成表示 表地:綿100%
裏地:キュプラ100%
取扱い絵表示
苦情品の外観 黒いプリントのいたるところで青い色泣きが認められる。
関連する試験データ 販売前の生地試験では、ドライJISL0860、汗JISL0848ともに問題なし。
<クレーム品を使い追加試験>
前裾部分を洗剤水溶液に浸漬するとプリント部分から激しく色泣きが発生。
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • 素材が綿であり、購入当初はこの様なことはなく、ある程度着用期間を経て発生していることから「反応染料の加水分解」「酸化窒素ガスなどの影響」等による染料の経時変化と考えられる。取扱い絵表示が107,401(水洗いできない、ドライクリーニングできる)であるが、ある程度の水洗いを行っていれば、その都度表面染着染料や反応基が切れた染料の一部は、徐々に脱落していたと考えられる。
  • 2.製品の特性、染色の技術限界として裂けることができない現象と言えるのか?
  •  反応染料は、一般的に「加水分解』「酸化窒素ガス」等の影響を受け経時変化し易い染料といえる。特に、プリント製品は顕著である。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策。
  • ・加水分解等による経時変化が発生しにくい染料選択。例えば,スレン等がある。
  • ・107表示を106表示に変更。保管時は、高温多湿・排気ガスの影響を避けるよう、販売時の説明や取扱注意表示等で注意を喚起する。
  • 4.クリーニングにおける注意事項と対策
  • ・クリーニングは、適宜ウェットクリーニングを行うのが好ましい。
  • ・色泣きが発生した場合の対処方法を、取り扱い注意事項として表示する。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。