20年度

第1回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 プリントスカート色泣き
事例2 Tシャツの部分脱色 
事例3 デニムパンツから色移り 
事例4 メンズパンツの部分変色 
事例5 コート保管中の変色
事例6 ジャケット保管中の変色

事例5 コート保管中の変色

事例データ
商品 メンズコート
苦情内容 ワンシーズン保管ご着用しようとしたら、袖や裾が赤く変色していた。
組成表示 表地:綿100%
取扱い絵表示
苦情品の外観 ソデの外側が赤く変色している。また裾部分では生地の裏側にまで変色が及んでいる。
関連する試験データ及び情報 耐光JISLO842(4級照射) 変退色3-4級
汗JISLO848(酸・アルカリ) 変退色5級 汚染4級
ドライJISLO860 変退色5級 汚染4-5級

(クレーム品を使用した追加試験)
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • 裾及び袖の外側から衿に向かって発生していることから、事故品はクリーニングの包装をかけたままタンスなどで前後に衣類を密着させた状態で保管され、酸化窒素ガス等ガスの影響を受けたと推測。
  • 2.製品の特性、染色の技術限界として避けることのできない現象と言えるのか?
  •  大気中には酸化窒素ガスや各種ガスが含まれており、これらのガスに長期暴露されることにより変色することがある。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策、クリーニングにおける注意事項と対策。
  • ・酸化窒素ガス等、ガスの影響が少ない染料を選択する。
  • ・消費者には、ガス退色については十分認知されていない。従って、情報提供が必要である。
  • ・保管は、各種ガスの影響を受けにくい風通しの良い場所に保管する。
  • ・クリーニング業者が使用するキャリー用のカバーは、湿気やガスがこもり易いため必ず外して保管する。

同様事例

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。