21年度

第2回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 ウェットクリーニング後の色なき
事例2 家庭水洗いによりねじれが発生
事例3 ドライクリーニング後装飾糸消失
事例4 保管中の変色

事例1 ウェットクリーニング後の色なき

事例データ
商品 メンズドレスシャツ
苦情内容 商業ウェットクリーニング後に色なきが発生した
組成表示 綿 100%
取扱い絵表示
苦情品の外観 衿周り(特に縫い代などが重なっている部分。)の 白場にワイン色の色なきが発生している
関連する試験データおよび情報 ・JIS L0850準用ホットプレッシングに対する染色堅ろう度湿潤試験
 (170℃・15秒・49kpa・浸漬20分)
  水浸漬:変退色5級・汚染5級
  0.5界面活性剤(非イオン)浸漬:変退色5級・汚染3級

・ストライプ部分(ワイン色)の染料:バット染料または可溶性バット染料
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • ストライプ部分を染めているバット染料が、濡れた状態での高温プレスにより、白場に色なきしたのではないかと考えられる。
    (全体には色なきしていないので、縫い代の重なった厚い部分に、特に熱と圧力がかかったのかもしれない。)
    また、ホットプレッシング試験(関連データ参照)の、水浸漬での汚染が5級に対し、界面活性剤浸漬での汚染が3級の結果から、すすぎ不足により洗剤などに含まれる界面活性剤の残留があったことも考えられる。
  • 2.製品の特性、または技術限界として避けることができない現象と言えるのか?
  • 乾燥状態でプレスすれば避けることは可能。ただし、しわの除去は不完全となる場合がある。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策
  • ・湿潤状態での過酷なプレスにならないようにハンドプレスなどのケアラベルをつける。
  • 消費者にドレスシャツ(おしゃれシャツ)であることを、販売時に説明し、クリーニング依頼時に注意してもらう。
  • ・クリーニングは、界面活性剤が残留しないように、すすぎを充分に行う。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。