19年度

第2回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 洗濯による部分収縮
事例2 商業ドライの繰り返しによる汚染
事例3 洗濯による部分収縮
事例4 洗濯の繰り返しによる白化
事例5 洗濯による全体的なバブリング
事例6 洗濯による斜行

事例2商業ドライの繰り返しによる汚染

事例データ
商品 綿ジャケット
苦情内容 商業ドライを繰り返すと全体が黄変し、くすんで汚くなった。試しに家庭用合成洗剤で右半分だけ手洗いすると簡単に白くなった。
組成表示 綿96%、PU4%
取扱い絵表示
苦情品の外観 左身頃は黄変しくすんで着用に支障があるが、水洗いした右半分は真っ白(蛍光反応が強く出ている)

右身頃:キレイだが、蛍光反応が見られる
左身頃:全体に黄変・くすみが見られる

検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • ・石油ドライクリーニングを繰り返すことにより、水溶性汚れ等が徐々に蓄積され、全体が黄変・黒ずんだ。(ドライクリーニングの限界)
  • ・汚染溶剤による逆汚染の可能性(溶剤管理の問題)
  • ・強い蛍光反応は、家庭用洗剤に含まれる蛍光剤によるものと推測。生成素材などの場合は白化、その他淡色製品の場合蛍光剤のムラ付きによる黄変(蛍光かぶり)の可能性もあるので注意が必要。
  • 2.判断基準と試験方法
  • ・再現試験。人工汗液など水溶性汚れを付着させて商業ドライ(汚れた同浴品有り)を繰り返してみる。
  • ・汚染溶剤(酸価が高い=脂肪酸、着色)による商業ドライクリーニング試験。
  • ・水溶性汚れを付着させたものを水洗したものと比較。
  • 3.商品を企画・生産・販売する場合の注意事項
  • ・白や淡色の綿・麻等、セルロース繊維は、如何に溶剤管理が良くても、ドライクリーニングだけの対応では限界がある事を認識し、縫製や副資材などを吟味して水洗い可(少なくとも商業ウェットクリーニング可)の商品とする。
    →CL業者からの参考意見
  • 4.クリーニング業者
  • 汚れの状態や素材から判断してし、適切な処理方法を選択する。特に本品のような夏物・淡色・綿素材の場合、水洗いでなければ充分な洗浄ができないことを受付時に消費者と話し合い、理解を求める。水洗いできるかどうか「判断に迷う」場合、表示者に問い合わせる。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。