20年度

第2回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 柄糸のみの毛羽立ち
事例2 モール糸の部分毛羽脱落
事例3 糸の飛び出し
事例4 腿後側の毛羽立ち
事例5 ブクツキの発生

事例5 ブクツキの発生

事例データ
商品 メンズコート
苦情内容 クリーニング後、商品全体にわたってぶくつきが発生した。
組成表示 表面:ポリエステル100%
裏面:ナイロン100%
(ウレタンボンディング)
取扱い絵表示
タンブラー乾燥はお避け下さい。
苦情品の外観 ボンディング素材。商品全体にわたって貼り合わせた生地の剥離が認められる。4年前の商品。
関連する試験データ及び情報 ジャングルテスト初期剥離強力 750cN
6日後 550cN
取扱注意表示 <クリーニング店へのお願い>
・この製品は溶剤が残留しやすいため、充分に乾燥を行って、残臭がしないことを確認した上でお客様へお返し下さい。 ・この製品は溶剤が残留しやすくキワツキ現象を起こすことがありますので、脱水を充分行って下さい(6分以上)。またタンブラー乾燥を不十分なまま風乾されないようご注意下さい。
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • 4年経過していることから、ボンディングに使用しているポリウレタン樹脂の経時劣化(加水分解)によるものと推定。特に高温多湿の場所、燃焼ガスや紫外線の影響を受けやすいところでの保管条件の場合、劣化が速い。
  • 2.製品の特性または技術限界として避けることのできない現象といえるか?
  • ポリウレタンの特性である。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策、クリーニングにおける注意事項と対策。
  • ・ポリウレタンの特性(特に劣化は避けられないこと)を取扱注意表示や下げラベルに記し、販売時に説明する。
  • ・高温多湿、燃焼ガス、紫外線などを避け、風通しの良い場所で保管するよう消費者への啓蒙をはかる。
  • ・クリーニング受付時には、ポリウレタン樹脂製品の特性(劣化、キワ付き等)について説明する。

   同様事例

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。