17年度

第1回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 ストライプ柄糸からの色泣き
事例2 色泣き
事例3 全体的な変色
事例4 つり下げタグの汚染
事例5 全体的な変色
事例6 ストライプからの色泣き
参 考 商業水洗いにつて

事例2色泣き

事例データ
商品 カジュアルシャツ
苦情内容 商業水洗いをしたら、背ヨーク・胸ポケットなどの表側が赤く変色した。
組成表示 表地綿100%
取扱い絵表示
オフホワイト、生成色、淡色物は傾向増白剤入り洗剤を使用すると変色することがあります。
苦情品の外観 背ヨーク、胸ポケットなど生地が2重になっている部分の裏側で赤い柄糸染料の色移りが認められる。
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • ・濯ぎ不充分による、アルカリや界面活性剤の残留。
    プレス条件が厳しい(濡れがけ、高温・高圧)
  • ・ホットプレッシング試験で、水だけでは汚染は認められず、界面活性剤を付与した場合、汚染があることから、商業水洗い時の濯ぎ不足状態による濡れがけプレスが原因と考えられる。
  • ・商業洗濯の三ッ山プレス機(衿・カフス用プレス機)やボディプレス機などで濡れがけされると「熱(約160度前後)」と「圧力」が加わるので、洗剤やアルカリの残留した状態ではこの様な汚染や色泣きを発生させやすい。
  • 2.判断基準と試験方法
  • ・濯ぎ不充分であるという推測の下、界面活性剤が残留した状態やアルカリが残留した状態でのホットプレッシング試験を行う。
  • ・染色堅牢度データ-ホットプレッシング試験結果
  • 3.商品を企画・生産・販売する場合の注意事項
  • ・一般的に赤は、色落ちしやすい
    この様な生地を使用する場合、商業ランドリー(いわゆるワイシャツ洗い)を避けるよう表示する
  • 4.クリーニングにおける注意点
  • ・界面活性剤が存在する状態ではより強い汚染が発生していることから、濯ぎを確実に行い、最終pHや界面活性剤の残留に注意する。
  • ・濡れがけプレスを避ける。
  • ・弱アルカリ洗浄以下のpHで洗う。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。