20年度

第1回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 プリントスカート色泣き
事例2 Tシャツの部分脱色 
事例3 デニムパンツから色移り 
事例4 メンズパンツの部分変色
事例5 コート保管中の変色 
事例6 ジャケット保管中の変色

事例4 メンズパンツの部分変色

                              ふくらはぎ部分

事例データ
商品 メンズパンツ
苦情内容 水洗い後、太もも周辺が青く変色した。
組成表示 表地 綿95%、ポリウレタン5%
取扱い絵表示
関連する試験データ 耐光 JISL0842 変退色3-4級
汗 JISL0848(酸・アルカリ) 
変退色5級 汚染4-5級
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  •  変色の箇所が、膝周辺とポケット口周辺(手がよく触れる)の表面のみで、裏には変色が及んでいないことから、汗と日光による複合的な変色と推測。
     配合されている染料の中に、汗・日光の影響を受け易い色が脱落して青く変色したと思われる。
  • *JIS L0888の光及び汗に対する染色堅ろう度試験で初期性能は、3~4級である。苦情品の外観観察では変退色は、より著しい。
  • 2.製品の特性、染色の技術限界として避けることのできない現象と言えるのか?
  • 一般的に反応染料は、様々な汗成分と紫外線等の影響を受け変色することが多い。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策、クリーニングにおける注意事項と対策。
  • ・耐汗/日光堅ろう度に優れる染料を選択する。
  • ・適切な堅ろう度試験を実施。例えば、JIS法の汗液やATTS法等の人工汗液を採用して、現実に即した試験法で堅ろう度の確認をする。
  • ・販売時に汗と日光による変色に関して説明を行ったり、下げ札や取扱注意表示に記す。
  • ・商業クリーニングでは、可能な限りで水洗いを行い、汗の成分を除去する。
  • ・家庭洗濯が可能な製品は、汗付着状態で放置せずにこまめに洗う。

同様事例

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。