平成21年9月8日、都自動車整備健保会館で第121回の苦情処理検討会が開かれた。
参加者91名、持ち込まれた苦情内容は@ゴルフポロシャツ(綿100%)で初めての着用後首と前タテ部(裏)に黒いシミを発見し、家庭洗濯をしたところ青色に変色したというもの。当初、金属による変色を疑ったもののアクセサリーは使用しておらずその他の原因として考えられたものは染毛剤による影響―原因は(黒色の染毛剤の赤色が抜け青色のみが残った場合)や(還元作用により変色したもの)などが想定された。ユーザが付けていた日焼け止めクリームがバッド染料に影響を及ぼし酸化した変色なども検討された。Aスカート(ポリエステル64%レーヨン他)に接触した状態で使用していたブランド品バッグに青色が移染したというもので、スカート自体には問題なくバッグについても(検査機関では)水や摩擦堅牢度は問題がなかった。最終的な判断としてスカート(分散染料)とバッグの接触汚染ではないかという意見が提示された。残念ながらブランド品のほとんどが素材検査データの開示がなされず決定的な原因究明に結びつかない場合が多いことが話題となった。
ボーケンの西山氏の事例コーナーでは金属イオンによる変色が取り上げられ、衣類付属品によるもの、着用時に発生するもの、洗濯時に発生するものなどの説明が行われた。
ミニ講座では日本羽毛製品協同組合の方たちによる「羽毛製品について」の解説が行われた。近年ファッション分野でも羽毛を素材としたものが増えつつあり、会員は羽毛情報を体系的に学ぶ機会がなかった。羽毛製品についてのQ&A、布団のお手入れ制度、ダウンウエアの品質基準など専門的なお話を伺うことができた。西村専務理事の積極的なご尽力と羽毛製品アドバイザー諸氏には心から感謝を申し上げたい。 (原稿執筆は田中耕治氏)