20年度

第3回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 商業ランドリー後の衿・カフス収縮
事例2 商業ランドリー後の前立て横身頃の波打ち
事例3 縫い目滑脱
事例4 ダウンの吹きだし
事例5 前立ての折れ・変形

事例4 ダウンの吹きだし

事例データ
商品 ダウンキルティングコート
苦情内容 縫い目部分で中わたが飛び出してきた。
組成表示 表地 ポリエステル100% 裏地 ポリエステル 充填物 ダウン80%、フェザー20%
取扱い絵表示
苦情品の外観 縫い目全体にわたって、白い中わた(フェザー・ダウン)が吹き出している。
関連する試験データ ピリング:JISL1076 ICI法10時間4-5級
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • キルティングを施した針がダウンパックを貫通している。・全面を細かいキルティングのあるデザインにしたため、また縫い目が細かい為、シーム部分が多くなり、吹き出しがどうしても目立ってしまう。
  • 2.製品の特性または技術限界として避けることのできない現象といえるか?
  • 充填物がダウンである事と、デザインが細かいキルティングである事から、避けられない現象。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策、クリーニングにおける注意事項と対策
  • ・企画:ダウンと細かいキルティングというデザインという組み合わせについての配慮する。生地、ダウンパックとも高密度素材にし、ダウンパックに縫製の針が貫通しないデザインにできないか検討する。
  • ・販売:ダウンの少々の吹き出しは、避けられない事を説明。
  • ・クリーニング:中わたの吹き出しについては、クリーニングでの対策はない。なぜなら、洗浄にも乾燥にも(特に乾燥時、ダウンのかさだか性を回復させるためには)ある程度の機械力が必要なため。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。