20年度

第3回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 商業ランドリー後の衿・カフス収縮
事例2 商業ランドリー後の前立て横身頃の波打ち
事例3 縫い目滑脱
事例4 ダウンの吹きだし
事例5 前立ての折れ・変形

事例3 縫い目滑脱

事例データ
商品 カジュアルアウター
苦情内容 脇下や背中央部分で縫い目の滑脱が発生した。
組成表示 表地:綿60%、麻40% 裏地:綿 ポリエステル
取扱い絵表示
苦情品の外観 脇下や背中央部分で縫い目が2~3mm開いた状態になり、白いヨコ糸が目立っている。
関連する試験データ及び情報 縫い目滑脱抵抗力 JISL1096  B法 よこ3.5mm(98N荷重)
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  • ・着用者とサイズの不適合
  • ・ヨコ糸の麻に伸度がないため着用時の横方向の力が縫製部に集中したため。特に汗などで繊維が膨潤したときなどに発生しやすい。
  • ・ヨコ糸に伸度のない素材でタイトなデザインにしたため。
  • 2.製品の特 性または技術限界として避けることのできな い現象といえるか?
  • 素材や縫製には問題はないが、タイトなデザインにした為、あるいは取扱い(サイズ不適合など)によって、問題が発生する。
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項と対策、クリーニングにおける注意事項と対策。
  • ・企画:タイトなデザインと素材の兼ね合いに気を配る。
  • ・生産:縫製部分にテープ処理など、滑脱が起こりにくい処理をする。
  • ・販売:タイトなデザインである事と素材の特性を説明し、ゆとりを持ってきてもらう。
  • .クリーニング:麻やスリップの起こりやすい素材(薄地のポリエステルタフタなど)の場合、受付時に検品を徹底する。処理は、特にウェットクリーニングの際は洗浄・脱水時に機械力の制限を行う。

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。