日 時 | 平成21年5月15日(金) 13:30~17:00 |
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会 場 | 大阪市産業創造館6階E会議室 |
参加者 | 76名 |
懇親会 参加者 | 30名 |
総会はTES福井会及び岡山会の代表幹事にも出席いただき、盛大に開催されました。
総会後特別講演として、ライオン(株) 宮坂広夫氏に「繊維製品の清潔と快適に貢献するハウスホールド製品の開発最前線」、京都工芸繊維大学大学院教授 木村照夫先生に「繊維リサイクルの現状と課題」と題してお話をいただきました。
その後の懇親会では、素材メーカー、アパレル、百貨店、消費者相談センター、クリーニング、それぞれ立場でご活躍される皆様が集まり、時間一杯まで意見交換の止まない実り多き懇親会となりました。
特別講演1
「繊維製品の清潔と快適に貢献するハウスホールド製品の開発最前線」
ライオン株式会社
研究開発本部 副主席研究員 宮坂広夫氏
はじめに洗濯洗剤の界面活性剤について御説明いただきました。界面活性剤は親水基と疏水基を持つ為汚れを落とすことができます。汚れを落としたい場合はアニオン系、ノニオン系、両性のタイプを使います。からだに付けたい場合はカチオン系を使用します。石油からつくりますが最近は環境へ配慮するため生分解性の高く植物性(パームヤシ)の界面活性剤を使用することが多くなってきているそうです。最近の洗濯洗剤の市場のニーズは、香りが添加されているものや敏感肌の人も使えるものが要求されています。着用中や衣服をたたむ時に香りのニーズがあることや肌ケア発想のお洗濯として開発された洗剤は洗濯をしても繊維のミクロな部分でのささくれを少なくし肌にあたる摩擦度合を軽減する仕組みになっていることも教えていただきました。この洗剤は弱酸性になります。洗剤という繊維製品には非常に重要な話題であったため質問も多くでた有意義な講義でした。
特別講演2
「繊維リサイクルの現状と課題」
京都工芸繊維大学大学院 教授 先端ファイブロ科学部門
繊維リサイクル技術研究センター長
工学博士 木村照夫 先生
最近リサイクル運動が盛んに行われ、家電、建設、食品の分野では法律に従い実施されています。しかし繊維製品については検討がなされているものの実運用には至っていない理由、問題点等を御説明いただきました。衣料は大きく分けて工場からでる屑繊維と消費者が廃棄するボロがあります。素材がはっきりしているものとそうでないものでの分別が大変なことや、リサイクルする技術が発見できても実際に運用していくことはコスト面の問題があり実現しないことを非常にわかりやすくお話いただきました。繊維衣料に携わる者として社会的責任を果たしていくために重要かつ難しい問題であると改めて実感致しました。