27年度

技術講演会

日 時 平成27年9月12日(土)13:30~16:30
会 場 福井県坂井市丸岡『長畝(のうね)コミニュティセンター』2階大会議室
内 容 ①『 ナノフロント糸の開発とその用途展開について 』
 帝人㈱ 高機能繊維事業本部  技術主幹 神山三枝氏 
②『高機能ポリウレタン弾性繊維(ロイカ)と 商品開発事例』
 旭化成せんい㈱ ロイカ事業部 課長 三崎陽子氏
参加者

60名

講演会要約

神山氏からは、同社のポリエステルナノファイバー開発の経緯を主にお話し頂きました。後にアルカリ溶解する海成分に高Tg(ガラス点転移点)のポリマーを配置することにより、より細く長く延伸できることを発見・確立し、海成分の面積を極力少なくする(超多島)など、種々の要素技術を開発・組み合せ、物性的にも良好で収率の良いナノファイバーを創製した経緯を紹介された。また、このナノファイバーを活用した高摩擦係数利用のゴルフグローブや研磨布、高捕集率のフィルターの開発等も紹介。同社のナノファイバー創製技術のコンセプトは、ポリエステルに留まらず、ナイロン等他の繊維にも適用できる等、今後の応用に可能性を感じました。

   

三崎氏からは、同社のポリウレタン(PU)弾性繊維『ロイカ』の基本構造、紡糸法についての解説をお話し頂いた後、PU含有ポリマーの設計や編設計の工夫により、    ドレープ性やキックバック性の良い(運動追随性や形態安定性に優れる)もの、熱合着    性を良くすることによりパンストなどの編地の「ラン」を抑制するもの、酸性染料可染や消臭性能を付与したもの、高セット性のもの(カール防止やモールドの成形性を良くする)、吸放湿性能を持つもの、水着用に耐塩素性能を良くしたもの、表裏の2層構造を連結するPUの使い方等、多用途の商品をご紹介頂いた。極め付けは、伸張発熱する編地。実際の製品や性能評価の動画もあり、興味深い講演でした。