日 時 | 平成25年9月21日(土) 13:30~17:00 |
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会 場 | (一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC) 福井試験センター |
内 容 | ①『洗剤の基本と仕組み』~洗浄・洗剤の科学~
講師:横浜国立大学 大学院 環境情報研究院 教授 大矢 勝 氏 ②『機能性繊維素材の評価方法の動向』 講師:(一社) 繊維評価技術協議会 大阪支所 参事 越智 清一 氏 |
参加者 | 42名 |
大矢氏の講演内容汚れを水溶性汚れ(易溶性、難溶性)、油性汚れ(強極性、中極性、無極性)、固体
汚れ(親水性、疎水性)に分類し、これに対し、洗浄の方法を分離型洗浄、溶解型洗浄、分解型洗浄の3つのパターンに分類。洗浄に関わる界面活性剤(洗剤)の作用プロセスを 臨界
ミセル濃度、表面張力、濡れと接触角と表面自由エネルギーという洗浄に関する基本的な
理論との関連で解説。
特に、汚れを衣服から引き離す汚れのロールアップ(巻き上げ)と界
面張力の関連について詳述された。更に、石鹸やアルカリ剤、酸、酸化剤・還元剤、漂白
剤、洗剤など、洗浄に関わる各薬剤の作用について話された。
また、水の硬度と洗浄(ア
ルカリ金属を補足するキレート剤の活用など含む)の関連に触れられた。
最後に、これらを踏まえ、油汚れ、固体汚れ、水溶性汚れのそれぞれの汚れの除去方法について、わかり
やすいフローチャートで示された。また、超音波洗浄法なども紹介された。
越智氏の講演内容
繊維製品の機能性を「清潔、安全・安心(有害物/危害を遮蔽する)」、「快適性
(雨/風、冬の寒さを防ぐ、夏の蒸し暑さを防ぐ)」、「イージーケア性」に分類され、それぞ
れの評価・試験方法に関する各公的試験機関やJIS、ISO での取り組み状況をまず解説。
次いで、各論として 抗菌加工繊維製品の定量試験法について話されたが、ISO規格の一つは、発光法による微生物内ATP量の測定と言い、菌を液や転写法で回収した後、ノーベル化学賞受賞者 下村 脩氏のクラゲの蛍光(蛋白質)を想起させる方法で発光量を定量する。
清潔・安全では 光触媒抗菌試験や抗かび試験法の手順、消臭性認証試験法や防汚性の試験法、快適性では、吸湿発熱性や遮熱性の試験法、イージーケア性では、形態安定加工
評価法等各エリアに関連する代表的な試験法を紹介頂いた。
最後に繊技協としてこれらの
日本発の試験法のISO基準化の取り組み状況をお話し頂いた。
ISO化は、日本の各メーカーが国際競争力を得る為にも、重要であることがよく理解でき
た。
*両テーマとも 多く 質問が出るなど 大変 有意義な講演2題であった。