日 時 | 平成24年11月10日(土)13:30~17:00 |
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会 場 | (一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC) 福井試験センター |
内 容 | ①「スポーツウェアの品質管理について」
㈱デサント 品質生産企画開発室 参事 清嶋展弘氏 ②「最近の機能性テキスタイルの展開」 信州大学 特任教授 山崎義一 氏 (元化繊協会) |
参加者 | 42名 |
清嶋氏の講演内容 スポーツウェアの商品化計画の流れ~ 品質管理の基本体系(素材品質と 製品品質)に触れられた後、スポーツウェアの要求機能として 運動機能性、生理的快適性、耐久性、安全性、心理的快適性の5点をあげ、それぞれについて詳述。運動機能性としては、伸縮・軽量・整体・低抵抗等、生理的快適性としては ウェアの保温・クーリング・吸汗速乾・透湿防水性・ストレッチ・消臭等、耐久性としては 洗濯、汗堅牢度、水着等の塩素水堅牢度等、安全性については 摩擦溶融性 等について話された。プロ野球選手用と 練習量の多い高校野球の選手用ではスペックが異なる 或いは ゴルフウェアでUVカットニーズが強い等、用途により要求性能は異なる。最後に事故事例として、汗日光による色あせ、ポリウレタンの脆化、ポリエステル素材の色移り等をあげられた。汗・日光で、発汗中の乳酸の存在が褪色を促進するが、これは スポーツドリンク中に乳酸が多く含まれることにも起因するとの分析は勉強になった。また PFOAフリーのはっ水問題を特に触れられ、 撥水性の低下・コスト高等の課題を話された。
山崎氏の講演内容 機能性テキスタイルの分類(水分特性、熱/光、運動機能、 健康・衛生等)、機能性付与の手段(ポリマー改質等、後加工)に触れられた後、 特に 自然界に学ぶバイオミメテックスの観点から開発された超深色繊維、消臭繊維、構造発色繊維等、種々の高機能性繊維を紹介。最近15年間の機能性特許の出願件数の1位は消臭、2位は保温性・吸湿発熱。各原糸メーカーの一押し機能素材では防汚、滅菌、エコ(低温)染色可能素材、太陽光遮蔽、伸長発熱素材など、新機能や環境対応等、種々の新しい切り口を紹介。さらに、介護・福祉用途素材(編み・縫製の工夫による転倒予防靴下、10数種類の香水をブレンドし繊維中に固定した消臭繊維等)や、スポーツウェアの吸汗速乾、接触冷感、吸湿発熱など保温性、ストレッチ性(PTT繊維)等の実事例を話された。最後に 今後期待される新規の機能性テキスタイル(発電する繊維、導電性繊維、遮熱繊維、赤外線吸収繊維、遮音繊維、低摩擦係数素材等)を紹介された。