日 時 | 2020年11月14日(土) |
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会 場 | 福井県産業情報センター マルチホール |
参加者 | 64名 *この他、関西や中部地区から7名の申し込みがありましたが、新型コロナウィルス 感染拡大注意地域に該当し、参加を見合わせていただきました。 |
講演1.『東レの新機能性繊維の開発動向』
講師:東レ㈱ 繊維研究所 所長 荒西 義高 氏
原料ポリマーを独自の流動制御技術(極限まで分割する分配板の働き)によって、断面形状をナノサイズでコントロールできる技術を開発(ナノデザイン)の話が秀逸であった。あらゆる断面や太さの糸が作り出せ異なる三つのポリマーを複合することも可能になるなど、原糸設計の自由度が高まった。このナノデザイン技術をベースにかさ高性や伸縮性を持つ素材や繊維側面に深い溝を持ち、溝の空気によって撥水性能を高めた「ナノスリットナイロン」などの開発が進んでいる。この他、ナノファイバーに導電性高分子をコーティングする技術により生体情報を得られる製品の開発など興味が尽きない内容でした。
講演2.『飛び立つナノファイバーテクノロジー』
~バイオ・コスメ・スポーツウエア・フィルター~
講師:福井大学 繊維・マテリアル研究センター 教授 山下 義裕 氏
エレクトロスピニングによるナノファイバーを不織布に絡ませることにより、フィルター能力を向上させ、これに抗菌剤を表面加工することにより、今問題の新型コロナウイルス対策マスクに応用する技術がそれこそナノサイズの内容で紹介された。また、花王が開発した極細繊維をエレクトロスピニングの方法で直接肌にスプレーし、肌上に積層型の極薄膜を形成、これと美容液を組み合わせることにより、就寝中の肌の湿潤環境を整える技術の動画が見れるなど、こちらも興味深い内容でした。