日 時 | 2019年4月20日(土)13:30~17:00 |
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場 所 | 福井県工業技術センター 管理棟 講堂 |
内 容 | 講演1. 演題『洗浄の理論と家庭洗濯』 大阪樟蔭女子大学 教授 小林 政司 氏 講演2. 演題『テーピング原理を応用した機能性スポーツウェアの開発』 ㈱ワコール ウェルネス事業部 竹波 祥代 氏 |
参加者 | 66名 |
講演1『洗浄の理論と家庭洗濯』 講師:大阪樟蔭女子大学 教授 小林 政司 氏
衣類に付着する汚れを水溶性、油溶性、不溶性(固体粒子)汚れに分類し、これらを除去する洗剤の主成分の界面活性剤の働きを表面自由エネルギーやギブスの吸着式などの物理化学的な意味を示しながら、イラストを用い、解説。トピックスとして、最新の液体洗剤に用いられている"非線形界面活性剤"を紹介。これは、エステル構造(親水基)部分で屈曲し、両末端にメチル基(親油基)を有する界面活性剤(MEE)で、多くが 汚れ成分の周囲を 取り囲み~ミセル化し、汚れを効率的に溶かし出すというもの。この型の界面活性剤の創製が少ない容量で洗浄性の高い洗剤が可能になった。基礎的な洗濯理論と最新の情報も入り、有意義な講演となった。
講演2『テーピング原理を応用した機能性スポーツウェアの開発』 講師:㈱ワコール ウェルネス事業部 竹波 祥代 氏 氏
テーピング原理を応用した同社のコンディショニング・タイツCWX開発の経緯を中心に講演。ガードルの製造技術を基礎に同社・人間科学研究所の人体の構造(靭帯と筋肉や関節やその動き)の研究から、ひざ関節への負荷を軽減するタイツを開発。靭帯と筋肉をサポートする為、ハイパワー(キックバック性の大きい)の高弾性繊維を活用し、生地の伸びる方向と、筋走行の向きを合わせ、股関節~足首まで1本につながったサポートラインで、筋・関節の連動性を高めるという構造設計で、部位により異なる伸縮特性の素材を配置・縫製。各種の計測技術も活用し、肩甲骨の可動性の向上製品やスポーツブラの開発製品の構造設計等についても触れられた。