日 時 | 平成29年4月22日(土) 13:30~17:00 |
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場 所 | 福井県工業技術センター 研修棟 講堂 |
内 容 | ①『小売業の視点から見る品質管理』
講師:㈱ イトーヨーカ堂 QC室 衣料担当 岡田 実 氏 ②『環境変化に順応するスポーツウェアの素材設計について』 講師:ミズノ㈱ 商品開発本部 研究開発部 主任研究員 荻野 毅 氏 |
参加者 | 74名 |
岡田氏は 同社で受ける製品不良の統計的な分析資料(生産国と相関、服種別と不良内容) 及び 実例を示された上で、不良の発生要因について生産現場まで追求され、"当たり前が存在しない現場の現状を鋭く指摘、デニムの色落ちの改善や羽毛の吹き出しの改善など具体例まで示された。また、機能性衣料品の評価法が統一されていない点、消費者力(商品の性能を見抜く力)低下の現状と販売員への商品知識の教育について、更に有害物質の排除の必要性、新JIS洗濯表示も 小売りの立場から触れられた。
荻野氏は、各機能素材の開発コンセプトを解説。「芯部に熱伝導率、屈折率が低いポリマー充填の芯鞘構造糸による太陽光遮蔽繊維」「親水性繊維とポリエステルとの複合による吸放湿性繊維」「葉脈にヒントを得たバイオミメティクスによる改質アセテート繊維3層の芯鞘複合糸による吸放湿性+吸汗速乾性素材」等々。氏自身が開発者の「吸湿発熱繊維ブレス・サーモ」については、博士論文にまとめられた内容を詳説。主素材のアクリル酸系素材の吸湿特性、吸湿発熱のメカニズムを赤外熱画像や数値解析モデルにより検討、吸湿発熱に関わる親水性官能基の吸着熱量の試算を行ない、保温性の持続に親水性官能基への水和が関連している推察などを話された。