日 時 | 平成27年4月18日(土) 13:30~17:00 |
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場 所 | 福井県工業技術センター 多目的研修室 |
内 容 | ①『繊維製品の機能加工に関する表示と消費者苦情』
講師:㈱消費科学研究所 品質管理室 小村 真司 氏 ②『アセテートの特性と差別化商品展開について』 講師:三菱レイヨン㈱ 繊維技術統括室 加工グループ グループリーダー 担当部長 山崎 睦生 氏 |
参加者 | 59名 |
小村氏は、Jフロント リテイリンググループ(百貨店・大丸、松坂屋)のコンプライアンス
(法令遵守)に関する基本的な取組み状況を紹介された後、景表法の不当表示法そのものに関
する解説、"優良誤認"の具体的な例などを話された。
その後、形態安定加工製品や 抗菌・
防臭加工製品など 機能性繊維製品の"機能性の試験評価"について薬事法との関連も含め触れられた。
更に具体的な消費者苦情事例として、UVカット加工の帽子が透けている感じ
との苦情や、5~6回着用で濡れてきたレインウェア、洗濯ジワが見られた形態安定シャツ
などについて等の例を説明された。
最後にJIS取扱い絵表示改正の施行へ向けての状況と
百貨店としての今後の対応策についてお話し頂いた。
山崎氏は、まず同社の新しい機能を持ったアセテート以外の原糸の開発状況(導電&光発
熱、摩擦防融、遮熱等)について話された。
次に、本題のアセテート繊維の基本について
わかりやすくしかも細部に渡り(製造フロー、化学構造、繊維断面、物性等)お話し頂いた。
その中で大変興味深かったのはアセテート繊維の断面は紡糸過程で(乾式紡糸の為)表層か
らの急激な溶剤蒸発の過程で、自然に菊型の多葉断面形状になるという点。溶融紡糸のポリ
エステル繊維等と比較すると、ポリマー改質が出来ない点、断面制御が難しい点、延伸がで
きない点等高いハードルがある為、差別化繊維を開発する場合、独自の手法がとられること
を述べられた。
開発商品として、吸汗速乾・接触冷感素材「キスト」(芯鞘構造:芯部にジ
アセテートを配置し、後に低結晶性のセルロースに改質、鞘部にトリアセテートを配置し、
極表面のみ親水化)等を紹介された。