2024年度

2024年度 TES会北陸支部 年次大会 及び 記念講演

日 時 2024年6月22日(土) 13:00~17:00  
会 場 福井県産業情報センター 2F A・B室 (ハイブリッド開催)
参加人数 79名(会場:46名、WEB:33名)

内 容

第一部 北陸支部年次大会  ① 2023年度行事報告 及び 決算報告・監査報告
 ② 2024年度行事計画、予算案提示、規則改訂など提示 
 ③ TES会会長・功労者表彰:片山明秀氏(元セーレン) 第二部 特別講演 講演1『繊維製品の資源循環を含むサステナビリティへの取組について』
    経済産業省 製造産業局 生活製品課 課長補佐 山田 広平 氏
講演2『バイオポリマーのエレクトロスピニング』
   福井大学 学術研究院工学系部門 繊維先端工学講座 教授 藤田 聡 氏

 山田氏は、衣類の65%が廃棄されている日本の現状に対し、欧州の取り組みを参考にしながら、日本の繊維製品の資源循環システム構築が課題であるとし、その取組の方向性は「回収~分別・繊維再生~設計・製造~販売」のサイクルを構築することにあるとし、各段階の具体策を提示された。最後に 繊維製品における資源循環ロードマップ案を提示。2030年をメドとした個別目標を掲げ2040年度に資源循環システムを達成を目指すとされた。
 藤田氏は バイオポリマー(生体高分子)のエレクトロスピニング法を 開発。芯鞘構造のナノファイバーは 治療用薬物の生体内での徐放制御や 細胞培養の足場材料などに、セルロースナノファイバー(CNF)と生分解性 ポリマーとを併せ海洋分解性材料に、シングルナノファイバーは(癌)細胞の遊走制御 と 再生医療向けを軸に多様な可能性を示された。生物学と繊維材料工学を踏まえ繊維材料を医療分野に適用する素晴らしい研究を紹介された。

*今回は 難易度の高い講演2題でしたが、いずれも 繊維や繊維産業の将来を照らす貴重な講演で、会場やWEBからも多くの質問がされました。