日 時 | 平成27年6月20日(土) 13:30~18:00 |
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会 場 | 福井県坂井市丸岡「高椋(たかぼこ)公民館」3階大ホール |
内 容 | 1.年次大会 2.特別講演 3.交流会 |
参加者 | 57名 |
(1) 年次大会
①平成26年度活動報告及び会計報告
②平成27年度活動計画及び予算案提示
③TES会会長(功労)表彰として、松田龍男氏(元セーレン・現ミツヤ)
が表彰された。
(2) 特別講演 ①『考古学から見た古代日本の紡織』
講師:福井大学 教育地域科学部 東村 純子 氏
②『プルミエール・ヴィジョン(PV)と素材開発について』
講師:小松精練㈱ 理事 第1事業本部長補佐 米澤 和洋 氏
(3)交流会
東村氏は、2013年に第3回日本考古学協会大賞を受賞された新進気鋭の若手女性考古学者
で、繊維産業のルーツともいうべき古代日本の紡織をテーマにされている。縄文時代には麻
(苧麻・大麻)、弥生時代には北九州の一部で養蚕~絹織物生産が行なわれていたというこ
とが出土例から紹介された。では、古代日本の製織はどのように行なわれていたか。古代遺
跡から織機の部材が出土していて、輪状式或は直状式という原始的な織機(腰機)を用いてい
たことが判明してきた。現代の整経にあたる経送具、緯糸を装填する緯打具。これらは、日
本ではアイヌの織機、アジアの広い地域で行なわれていたことも判明。古墳時代の出土例か
らは、高機(空引機)を用いた絹織物の生産が始まり、特定の専門集団が担っていたことがわ
かってきた。織物生産のルーツ、大変 興味深い講演でした。
米澤氏には、2013年に世界的なテキスタイル見本市・プルミエールヴィジョン(PV)の第5
回アワードでグランプリを受賞された経緯と同社の商品開発のプロセスをお話し頂いた。
PVでは、トレンドが明示され、(ストレッチ、ふくらみ感、Wフェース、軽量、ウール)
がその年のキーワードで、東レ合繊クラスターの企業間連携をも活用し、受賞作品を作製し
たという。受賞作品を持ってきて頂いたが、『2センチほどの低反発スポンジを、ウール地
でチェックの織物柄と2種類の薄地織物で挟んだボンディング素材』で、独特の触感であ
る。同社は この例に見られるように 独特の質感のテキスタイルを創り出すことで伸びてき
た企業。技術と感性の融合(機能性+感性)がキーポイントであり、WWD(Women's Wear Daily)の購読など、欧米の情報を積極的に収集して商品開発に活かしているという。