24年度

平成24年度 TES会北陸支部総会

日 時 平成24年6月16日(土)13:30~18:00
会 場

(一財)日本繊維製品品質技術センター 福井試験センター

内 容 (1)総会
①平成23年度行事報告、会計及び監査報告
②平成24年度行事案 及び 予算案、役員構成等審議
 (株)ジャパンポリマークの幹事が久保浩章氏から海崎勲氏に交代。
(2)特別講演        
① 「チャイナ プラス ワンの実像と今後」
 繊研新聞社  本社編集部 記者 稲田拓志 氏
②「高性能繊維がひらく未来」
 (株)クラレ 繊維カンパニー 繊維素材企画開発部長 保城秀樹 氏
(3)交流会
参加者 42名

総会要約

1.総会 ①平成23年度行事報告、会計及び監査報告
②平成24年度行事案 及び 予算案、役員構成等審議
(株)ジャパンポリマークの幹事が久保浩章氏から海崎勲氏に交代。
2.特別講演① 「チャイナ プラス ワンの実像と今後」
 繊研新聞社  本社編集部 記者 稲田拓志 氏
②「高性能繊維がひらく未来」
 (株)クラレ 繊維カンパニー 繊維素材企画開発部長 保城秀樹 氏  
稲田氏
"チャイナ プラス ワン"が注目される背景について、「中国では、人件費のアップ、労働力不足が表面化」、「チャイナプラスワンの諸国では、EPA(経済連携協定)/FPA(自由貿易協定)等が整備されてきて、関税上の特典が出てきた」「ユニクロや、製品ビジネス商社のチャイナプラスワン諸国への生産のシフトが加速」等をあげられた。
チャイナプラスワン諸国の特徴と活用法。
①インドネシア(伸び率が一番):日系素材メーカーを活用したスポーツ、カジュアル生産。
②ミャンマー:スーツ、ダウンジャケットなど重衣料の計画生産。
③バングラデシュ:Tシャツ、カットソーの大量生産。
④ベトナム:安定志向の場合の活用。
⑤タイ:高品質、ミャンマー、カンボジア生産への玄関口(ハブ)としての活用。
⑥カンボジア:大規模工場で大ロットの場合の活用。
⑦インド:刺繍、希少な素材で店頭での差別化に活用。
このように、日本アパレル企業は、アイテム、価格帯に対応し、中国とチャイナプラスワンを使い分ける時代の到来である。しかし、中国は高品質な物作り、有力な素材供給拠点としては巨大な存在であり続けると話された。
保城氏は、
同社の得意とする各種プラスチックの紹介。
①ガスバリヤー性等を有するエバール樹脂の包装用フィルム等用途、
②その優れた透明性、ガラスとの接着性、耐貫通性を生かし、自動車のフロントガラスの中間膜等に使用されているPVBフィルムは、欧州でも需要が多い、
③高耐熱性ポリアミド樹脂の電子部品に活用例など。
また、人工皮革のシューズ用途など。
この後、同社を含む各原糸メーカーの高機能繊維の特徴と展開状況を概説頂いた。軽くて強い「炭素繊維」の航空機、自動車等用途(東レ等)、パラ系とメタ系のある「アラミド繊維」は、それぞれ耐熱性や強度を活かし、防護服、ロープ、アスベスト代替材等 (帝人等)、「PBO繊維」は、耐熱・難燃性を活かした耐熱クッション材、消防服表地等に(東洋紡)、「高強力超高分子量ポリエチレン」は、軽量で高強度、高電気絶縁性等を活かし、ヘルメット、絶縁材料等の用途 (東洋紡)等紹介され、最後に、クラレの"溶融状態でも液晶を保持し、高シェアー下で配向させた"「高強度・高弾性率ポリアリレート繊維」の大型膜構造体、ロープ、大津波用防潮堤等の用途展開等を詳しく話された。
また、同氏は、欧州では、数カ国が共同し"欧州クラスター"を形成して、出口(用途)を押さえた繊維・プラスチックの材料開発が行なわれており、今後はこのような取組みが必要と強調された。
日頃繊維が主なテーマのTES会員にとり、資材関係用途の高機能繊維の奥行きの深さを痛感した講演。 3.交流会ソフトドリンクと軽食を飲食しながら、両講師を囲んで、交流を行なった。