23年度

第1回 繊維製品品質管理講座

日 時 平成23年7月22日(金)13:30~17:00
場 所 大阪産業創造館 5階研修室A・B
講演1 「スゴ衣開発秘話とスゴ衣の今後の展望」 13:30~15:00  
株式会社ワコール ワコールブランド事業本部 インナーウエア商品統括部
商品企画部 企画開発課  石浦 亜矢 氏
講演2 「電子線グラフトによる繊維の改質技術」  15:15~16:45  
倉敷紡績株式会社 技術研究所 研究員  杉山 稔 氏
参加者数 79名

講座概要

講演1:「スゴ衣開発秘話とスゴ衣の今後の展望」 肌着は最低でも30%以上の綿を含む素材でないと売れないという、インナー業界では常識だった「綿伝説」を覆す大胆な発想で開発された「スゴ衣」。
 お客さんにわかりやすく着て実感できる商品開発を進める過程で、発生する難題を解決していった経緯や、スゴ衣がもたらしたあらたな機能肌着商戦について、お話をいただきました。また、秋冬向けにスタートしたスゴ衣の春夏展開や今後の展望についても、触れていただきました。 講演2:「電子線グラフトによる繊維の改質技術」 綿などの天然繊維に消臭や抗菌などの機能を付加するには、バインダーや電気的な相互作用を利用して機能性薬剤を繊維に固着させる手法が一般的であったが、この方法では洗濯を繰り返すと徐々に薬剤が脱落し、効果の持続性が低いといった課題があった。一方、電子線グラフト重合は、電子線で天然繊維を活性化し、その部分に機能性分子(モノマー)を効率よく、化学結合によって直接付与することができるので、洗濯を繰り返しても薬剤が脱落せず半永久的に機能を保持することが可能になり、さらに繊維の表面に機能を導入させることができるため、即効性の高い機能を発現させることが可能になる優れた技術である。今回は、従来の改質技術も踏まえ、最新の繊維改質技術について、お話をいただきました。