20年度

第3回 繊維関連工場見学会-日本毛織株式会社

日 時平成21年2月13日
見学先日本毛織株式会社印南工場 (兵庫県加古川市)
 日本毛織株式会社ホームページ
参加者45名

見学会記

日本毛織株式会社印南工場は1896年に創立されました。ウール製品工場としてスクールユニフォームやビジネスユニフォーム、カーペットを製造されています。私達は、原糸をビームに巻き取り製織するところから始まり、表面の毛羽を毛焼きし、油や不純物の洗浄、染色、仕上げ、検品までを見学させていただきました。1着のスーツは約1頭分の羊を使うことも知りました。ウールの特徴として吸湿性、難汚性、嬢水性、易染性、保温性、弾力性、難燃性、フェルト性があります。通常では水洗いができないのも特徴ですがスケールを樹脂で固めたり、特別な糸と織りで洗える製品を開発されています。同じ敷地の中で一環して行われていますので、理解しやすく非常に有意義な見学会となりました。

見学後記 
立春を過ぎ神戸に春を呼ぶイカナゴ漁解禁を待ちわびる2月13日、加古川の西側に位置する日本毛織株式会社(ニッケ)印南工場の見学会が行われました。
 参加者45名は平成17年高架完成のJR加古川駅より徒歩にて日本毛織株式会社発祥2番目の工場として大正8年(1919)に建設され、今なお当初の煉瓦造りの塀・工場が残る印南工場に到着。山口純弘工場長からのご挨拶とお話【ニッケグループの姿勢(人と地球に「やさしく、あたたかい会社」を目指す)、現況(現在の不況を受け2~3日/月生産減)等】、ビデオ鑑賞後、3組に分かれて工場見学(1時間半)に移りました。
 「品質に妥協なし、信頼の印南ブランド」が掲げられたスクールユニフォーム及びビジネスユニフォーム用梳毛織物の製造工程(織絨課→整理課→反染課→検査)、及び生産部試験室【・恒温恒湿室(織物試験)・化学試験(水質検査)・環境試験室(帯電圧、湿度40 %)・カーボンアーク、キセノン耐光堅ろう度・電子顕微鏡】をくまなく見学させて頂きました。
 広大な敷地面積の場内には多くの樹木や繊維産業の象徴ともいえるノコギリ屋根(天窓から注ぎ込む自然の太陽光は、繊維の色の確認に最適)の建築が残り、生産部試験室には木の床・頑丈な木机が継承されている環境に、歴史・伝統的な重みと、忘れかけた仕事の暖かさを思い起こさせてくれた日となりました。
 (安江理子 記)