19年度

第1回アパレル問題研究会-ディスカッション

事例1 コーティングの剥離 
事例2 エリ周りの変色
事例3 リップル加工部分の変色
事例4 部分的な白化
事例5 プリントの色泣き

事例4 部分的な白化

事例データ
商品 メンズコート
苦情内容 ドライクリーニングしたら、部分的に白っぽく変色した。
組成表示 表地:綿70%、ポリエステル20%、ナイロン10%
裏地:ポリエステル
取扱い絵表示
この商品は溶剤が残留しやすいため、充分乾燥を行って残臭がないことを確認した上でお客様へお渡し下さい。
苦情品の外観 背ベルトや裾端、袖口周辺などが部分的に白くなっている。その他の部位に異常は見られない。
検討内容
  • 1.何故この現象が起こるのか?
  •  白化は、着用時などに擦れを生じやすいところに見受けられる事(凸部に、顕微鏡で観察すると綿と思われる繊維に分繊化がある事、またポリエステルにはマイクロファイバーが使用されていることなどから、着用やクリーニング時の摩擦で繊維表面が分繊化した事による白化と推測。
  • 2.判断基準と試験方法
  • 摩耗及びピリング試験
    商業ドライクリーニング試験
  • 3.商品を企画・生産・販売する際の注意事項
  • 本品の特性を取扱注意表示に記載し、販売時に消費者にその旨を確実に伝達する
  • 4.クリーニングにおける注意
  • クリーニング受付時に「洗浄後に白化が目立つようになる」等の事前説明を行う。着用時に発生している白化は、表面に油性汚れなどが存在することにより目立たないが、洗浄によって汚れが除去されると顕在化するため、この事前説明が重要である。

     顕微鏡写真

掲載の検討結果は、あくまで課題試料の観察及び事故状況の推定に基づいて検討した結果の一つであり、試験や分析から導いたものではありませんので事実と異なることがあります。ご了承ください。