25年度

クレーム事例勉強会 (第100回) 

日 時 平成25年10月18日(金) 18:30~20:30
場 所 金城学院大学サテライト
参加者 29名

勉強会概要

ミニ講座 事故品事例紹介講師 (一財)ニッセンケン品質評価センター 中部事業所 渡辺俊充氏

事故品グループ検討

Aグループ
前身頃全体に施されたプリント部の反りによって縮んだ海外購入のTシャツ  アイロンをかけると反りが一旦伸びるが、冷めると再び反ってしまう
 検討結果
 水洗い不可の取扱い絵表示であったため、ドライクリーニングされたことにより、プリントの樹脂が硬化し、縮んで変形したと推察される。タンブル乾燥禁止の表示はあるが、タンブル乾燥された可能性もある。アイロンの熱により樹脂は膨潤するが、冷めると元に戻るため、原状回復は難しい。水洗いすべきであったと思われる。


Bグループ
初めてのクリーニングで、前衿中心に5cm程度の裂けが生じたシルク100%の後ろ開き ブラウス
 検討結果  シルクの生地の強度は十分であったが、裂けの起点を観察したところ、前両衿が付いている中心のポイントに微小な切り込みが存在していた。そのことから、製造工程における切込み過ぎ等の不具合があり、クリーニング時の取扱いミス(ネットは使用したという)が重なり、商品に大きな負荷が掛かったことで切り込みを起点としての裂けを生じさせたと考えられる。

Cグループ検討品
何度かドライクリーニングはしていたが、「汗をかいたので」と申し出があり、手洗いで きる表示のため水洗いしたところ、緑色がまだらに色抜けしたワンピース
 検討結果  現状は水に濡らしただけでも色落ちする状態。当該品はレーヨン50%・ポリエステル50%の混紡糸を使用しているが、混紡に均一性がなく、表側・裏側ともにランダムにそれぞれの糸が存在している。水洗いによって片方の糸のみ色が抜け、まだら模様に色の違いが顕在化したのではないかと推察した。