2025年度

2025年度 企業見学会

日 時 2025年10月24日(金)13時~17時
訪問先・
ご担当者
伴染工株式会社 代表取締役 伴 昌宗 様
国島株式会社  堀内 雄人 様
参加者 33名

見学会概要

 今年度はひつじサミット尾州の開催にあわせて、伴染工株式会社様と国島株式会社様にご協力いただき企業見学会を実施した。

 最初に伴染工株式会社様を訪問した。同社は1961年創業の全国的にも希少な綛(かせ)染専業の染色工場である。はじめに伴社長より事業概要及び綛染め(かせぞめ)についてご教授いただいた。国内随一染色工場が集まる一宮市であるが、綛染めを行う会社は少なく、チーズ染色とは異なり糸に過度なテンションがかからないため天然素材の持つ本来の風合いそのままにムラ無く染色できることをご説明いただいた。その後、大須田様より工場内をご案内頂いた。実際に綛染め専用機に設置された綛に染料を入れていく工程や職人の手により乾燥機にかせを入れていく工程を見学した。サッと色が入っていく様子は、感動の瞬間でした。調色室ではコンピュータによる染料自動調液装置も置かれていたが、天候要因も含めて顧客の求める色にするためには、最終的に職人の微妙な匙加減によって調整されているとのことであった。

 続いて国島株式会社様を訪問した。同社は1850年創業の長い歴史を持つ毛織メーカーである。堀内様より尾州産地の概要と事業内容についてご説明いただき、その後工場内をご案内頂いた。同社では高密度な生地を得意としており、ハリとしなやかさを持つことから美しいシルエットを出すことができる生地を特徴としている。また、生地の耳の部分に織り込まれているネームが美しく、同社のプライドを表している。
原料管理から検反までの工程を見学させていただいたが、ワインダー作業等々、準備工程が非常に丁寧に行われており、品質に対する意識の高さが印象的であった。また、フォーマル用の黒色織物に使用されているカメラを用いた自動検反機や、現在研究開発されているAIによる自動検査システムについても興味深い解説であった。

 今回の企業見学会は、尾州産地のものづくり職人の技術や思いに加え、産地の地下に染色後の廃液専用の下水管の存在の紹介もいただき、地域全体で産業を支えてきた歴史を感じる見学会となった。また、熱心なご説明だけでなく様々な分野の参加者からの質問に丁寧にご解説いただきとても充実した時間を過ごすことができた。
 最後に、今回の企業見学会にご協力頂きました伴染工株式会社の皆様、国島株式会社の皆様、開催をサポート頂きました皆様、ご参加頂きました皆様に深く御礼を申し上げます。