日 時 | 2019/11/15(金)13:30~15:45 |
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見学先 | 株式会社シキボウ江南 |
参加者 | 29名 |
中部支部11月の恒例行事「企業見学会」、今年は愛知県江南市にある㈱シキボウ江南を見学させていただいた。名前の通り、紡績企業系列の企業で、沿革をたどると敷島紡績㈱江南工場として1957年に起工し、59年に紡績工場竣工、67年織布工場竣工、69年染色加工場竣工、89年糸の連続シルケット加工場竣工、91年糸染工場竣工と次々に業容を拡大した後、94年に紡績部門は海外移転に伴って閉鎖、同時に他所よりニット設備を移設、2002年に㈱シキボウ江南として分社設立、2005年に糸染工場を廃止して今日に至っている。
工場の敷地は最大時の約半分ほどになっているというが、それでも甲子園球場2つ以上の広さというから驚きである。また、繊維業界全体で分業化が進んだ中にあって国内では珍しい一貫工場である。
見学会では、ニット工場、織布工場、染色加工場の3施設をそれぞれの部門担当者の方に案内していただいた。ニット工場はシングル機15台、ダブル機9台の国産編機を擁し、月産能力は20tとの説明があった。また、同社ではニットの染色はしていない。織布工場には巨大な整経機やビームが並んでいた。糊付機から出てくる糸がピンクなのは初めて見たが、複数の種類の経糸を使う場合につなぎ間違い等のトラブルを防ぐために使用する糊の色で区分しているとの説明であった。70台ある織機は全てエアジェットで目にも止まらぬ速さで生地を織っていた。この工場の特徴のひとつは、織り上がった生地は巻き取るのでなく、ほぼ正方形にびっしり折り畳んで積まれていくことであった。不思議に思ったが、隙間のできる丸巻に比べて空間の利用効率がよく、自社内ですぐに染色されるため、折り目が横段になる心配もないとのことであった。染色加工場では、毛焼、糊抜、精錬、漂白、シルケット、染色、仕上、後加工、検反の各工程を見学した。巨大な装置の連続である。
近年、中東の民族衣装トーブに使われる生地が日本でも作られているとよく耳にするが、ここでもトーブは主力製品のひとつであった。
これまで色々な繊維関連工場を見学させていただいたが、今回は特に細かいところまで見学させていただき、いつも以上に沢山のことを学ぶことができた見学会だと感じた。ご案内いただいた方をはじめ、TES会活動に深いご理解をいただいている同社関係者の皆様にここで改めて感謝の意を表したい。ありがとうございました。