2022年度

クレーム事例勉強会 (第145回) 

日 時 2022/8/19(金) 18:30~20:000
場 所 瀧定名古屋株式会社 17階ホール
参加者 44名

概要

・検査機関によるクレーム講座 講師(一財)日本繊維製品品質技術センター(キューテック)
   名古屋試験センター 竹内 慎一 氏

 はじめに予備知識として、クレームが生じる原因、基本的な染色堅牢度試験、生地の品質検査報告書の見方、染料と顔料の違いについて分かりやすく説明して頂きました。
 事例については、光(紫外線)やガス(窒素酸化物等)や汗などを複合要因とした色の変化から解説されました。 BHT黄変は、プラスチックハンガーやパッケージ袋に含まれる酸化防止剤と酸化窒素ガス(NOx)が反応して黄色い物質が出来て黄変化するが、光の暴露・クエン酸による酸性化・ドライクリーニングか水洗いをおこなう事で容易に復色する事やインジゴ染料が分解されるデニムのイサチン黄変等について丁寧に説明頂きました。
 続いて、汚染・摩擦・昇華の事例では分散染料のマイグレーション現象を、外観変化の損傷事例ではポリウレタン糸の脆化・フィブリル化・テカリ・虫食い・カビ等マイクロスコープ画像を用いて其々詳しく解説して頂きました。 最後に、クレームに至るほとんどのケースは、外的作用が原因である場合が多い事からクレームを解決するにあたっては、「5W1H」の要素で情報を整理しておく事が必要であると締めくくられました。