日 時 | 平成26年2月21日(金) 18:30~20:45 |
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場 所 | 金城学院大学サテライト |
参加者 | 28名 |
第1部 事例紹介
講師:(一財)ケケン試験認証センター 中部事業所 田中 裕也 氏
①倉庫保管中に黄変した紳士T/Wスラックス:製造工程における過度な高温処理が原因と推察される
②陳列していた店頭ガラス棚に油脂分が付着したセーター:紡績、整編時に使用する鉱物油が標準値以上に残留しているのが原因と推察される
③抜染後、色を抜いた水玉柄が白色(正常)と黄色っぽい(異常)部分に分かれたプルオーバー:混用率試験をしたところ、白い正常部の糸は設計どおりの綿100%であるのに対し、異常部はアクリル、ナイロン、毛で構成された別の糸であったため、色が抜けきらなかったと推察される
その他合計8件の事例について解説いただいた
第2部 グループ討議
Aグループ検討品:
刺繍入りの前身パーツのみ異色に染まった製品染めのカットソー
製品情報
組成:
本体 綿 100% レース ポリエステル100% 刺繍糸 レーヨン100%
絵表示:
106中性 201 303当て布 402 501 602
検討結果
・前身頃の身生地のみの変色で、レースや刺繍糸に異常は見られない
・変色は前身頃に集中し、他の部位では発生していないとの情報があり、刺繍に加工期間を要するため、前身パーツを先に別裁ちして刺繍出しした可能性が考えられる
・色差が大きい
Bグループ検討品:
商業クリーニングにより身頃部分にタテ筋が発生した表地ポリエステルのダウンコート
製品情報
組成:
表地 ポリエステル100% 前立 ポリエステル100%
詰物 ダウン90% フェザー10%
裏地 ポリエステル
絵表示:107 202 304 403(ALL×)
検討結果
・タテ筋は汚れ等の付着によるものか→ダウンの洗浄が関係する可能性
・タテ筋は経糸の糸密度差によるものか→糸密度と経糸/緯糸の摩擦が関係する可能性
Cグループ検討品:
商業クリーニング(パークロ)により表面にポリウレタン糸が飛び出したポリウレタン混ウールワンピース
製品情報
組成:表地 羊毛98% ポリウレタン2%
裏地 ポリエステル
絵表示:107 202 303当て布 402
検討結果
・石油系ドライの取扱い絵表示、ポリウレタン混であるのにパークロ処理をした
・パークロ処理であれば、必然的にタンブル乾燥している
・製品全体に毛羽立ちが見られることから、処理溶剤、乾燥温度、物理的外因が絡んで発生したと考えられる