24年度

クレーム事例勉強会 (第95回) 

日 時 平成24年12月14日(金) 18:30~19:45
場 所 金城学院大学サテライト
参加者 29名

勉強会概要

 12月は検査機関による事例紹介はなく、検討品のグループ討議を行った。事前連絡のあった検討品等3点を用意したが、事前連絡なく当日持ち込まれた事故品が4点あり、日ごろ検討品不足に頭を悩ませている立場からすればありがたいことであったが、時間的な制約から十分な検討ができない結果となった。
 検討品のある場合は事前連絡をお願いする。
 検討品のうち、以下の2点を掲載する。

■Aグループの検討:合成皮革製婦人コートの劣化 ・商品の概要  組成:表地/合成皮革  中綿/ ポリエステル  裏地/ ポリエステル
 取り扱い絵表示: 本体107 202 304 402
・苦情の概要 購入後約1年、購入金額不明だが1万円以上。着用は数回のみ。クリーニングには出していない。夏季に引っ越しのため、数ヶ月間段ボールケース入れてあった。中表に畳み、ビニール袋に入れてない。秋になって出したところ、表地がボロボロになっていた。(写真A参照)
・検討結果 ①苦情品の観察、関係者から聴取すべきこと
剥離は全面的に発生しており、状態がひどいので袋から出せない。
購入時期は1年前というが、製品及び生地の製造年は不明である。
夏場の保管状況に疑問がある(かなり高温多湿であった可能性も考えられる)
製品のブランドからして上代は4~5万円するはずで、1万は安すぎる。ネットオークションでの購入もありうるのではないか。
②発生原因として推察されること
合成皮革はポリウレタン使いと思われる
夏場の保管状況が悪く、高温多湿の状況に長時間置かれた
防虫剤等の化学物質の影響
合成皮革の製造が古い(製品または生地)
③推察される原因を確認するための試験
ジャングルテスト
防虫剤と生地を密着させて保管し、耐久性を確認する
④再発防止策
製品に製造年を表示する(但し、生地の製造については不明である)

■Bクループの検討:綿ポリエステル使い紳士針抜きニットトレーナー ・商品の概要  組成: 綿70% ポリエステル30% ・苦情の概要 着用1年経過後、表側ストライプ部分(スムース目)に穴が点在(写真B参照)
・検討結果 ①拡大観察する
表面が薄起毛されている
量販店平場で販売された商品である
同様のクレームが数点発生している
生地の凹凸部分の組織の違いを確認する(キズの部分はどのような組織か?)
②虫食い、引っ掛け、焦がした、摩擦
編み組織の問題
春、秋の2シーズン切れる商品なので着用頻度が高く、脆化した
③ピリング堅牢度試験
摩擦堅牢度試験
洗濯は裏返して擦るようにケア表示する
④摩擦強度の高い編み組織に変更する