日 時 | 平成23年2月18日(金) |
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場 所 | 名古屋市西生涯学習センター |
参加者 | 21名 |
毛製品検査協会による事例紹介6点
1.ポケット口や膝部分等が変色した毛100%の紳士スラックス。ATTS法試験の結果、汗耐光が原因と判明。一般的に汗耐光試験はセルロース系繊維に限って実施されており、毛製品でのトラブルは意外であった。ドライ処理だけであれば汗が残留して黄変した可能性もある。
2.着用後股ずれが発生した毛100%の紳士スラックス。3通りのピリング試験のうちD-2法を準用した湿潤状態6%の試験で2級の数値が出た。6%は衣服の着用時の湿潤状態に近い数値とのことで、ピリング試験法を再確認する必要もあると思われた。
3.クリーニング後にポリウレタン糸がループ状に飛び出したスーツ。商業ドライクリーニングで再現できた。ポリウレタン糸が切れていないことから劣化が原因でなく、撚糸が甘いことが分かった。素材の伸縮性が大きい製品は洗濯時にネット使用することで同種の事故を防げるのではないかとクリーニング業者から指摘があった。
4.虫の食害による毛100%のセーター。
5.所々に白色付着物がみられる保管中の生地。蛍光発光なし。顕微鏡でカビが確認された。
6.検針反応のあったスーツ。蛍光X線分析の結果、ポケット口付近で鉄分検出。検出部位から裁断機の刃を研いだ時の鉄粉が芯地等を裁断する際に裁断品に付着したと考えられる。
*時間切れで持ち込み品の検討はできず。