日 時 | 2022年9月3日(土) 14:00~16:30 |
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場 所 | 名古屋市中小企業振興会館(吹上)4階 第7会議室 |
テーマ | 「PFOA規制と技術開発最前線」 |
講 師 | ダイキン工業㈱ 化学事業部 営業部 原良輔氏 |
参加者 | 38名 |
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)の規制対象となったPFOAと、それらの関連物質について、現状と今後の展望についてご講演いただいた。
繊維業界では、C8、C6と呼ばれているフッ素化合物がはっ水・はつ油効果を付与する物質として知られている。しかし実際のところ、はっ水・はつ油効果を付与しているのは今後規制される『PFOA関連物質』と呼ばれる化合物で、PFOAはその製造工程で発生する副生成物であり、PFOA自体ははっ水・はつ油剤の原料として意図的に使われていないとのお話であった。
現在の化学物質の規制要件として、<PBT>の考え方があり、PFOAはこの要件を満たすことが認められたため、環境中でPFOAに変換/遊離される懸念のある関連物質も含めて今回規制の対象になった。
P:Persistent (残留性) / B:Bio Accumulative (生体蓄積性) / T:Toxic (毒性)
ヨーロッパでは、以下も要件に加えるか議論されているとのこと。
M:Mobility (移動性)
また、現在C8、C6の代替品としてC0(非フッ素化合物)が開発されているが、固体と液体の表面自由エネルギーの関係(≒表面張力)から、はっ水効果は期待できるが、はつ油効果は期待しにくい状況であり、今後はつ油効果も期待できる物質の開発を推進していくとのことであった。
なおこのセミナーは拡大するコロナ禍の中、消毒、聴講者のマスク着用、換気など十分に配慮をして開催いたしました。セミナーに出席していただきました皆様のご協力に感謝いたします。