2021年度

2021年度 第3回基礎講座セミナー

日 時 2022年3月26日(土) 14:00~16:00
場 所 ウィルあいち 大会議室
テーマ 『JIS及びISO規格開発の動向とケアラベルの改正について』
講 師 一般社団法人繊維評価技術協議会 東京本部 野村 憲二氏
参加者 65名

講演概要と所感

 今回のセミナーでは「JIS及びISO規格開発の動向とケアラベルの改正」についてご講演いただいた。
はじめに産業標準化制度の概要として日本の産業標準化制度の二本柱として、国家規格であるJISの制定とJISへの適合性に関する制度であるJISマーク表示制度及びJNLA制度について解説された。
 次にJIS原案作成方法には①民間団体が独自に製作②日本規格協会(JSA)公募③国費支援によるJIS開発事業の3つの方法があること及びこれらの詳細とJIS原案の制作手順が話された。また、JIS提案の事例としてISO20418ペプチド分析法のJIS化や電気泳動法の提案などが挙げられ、新たな獣毛の鑑別法については興味深いものがあった。
 さらにISO/TC38の構造及び日本のISO標準化提案・ISO提案の動向について解説及び報告された。具体的には家庭洗濯・ケアラベルについて、対応ISO規格である商業クリーニング試験方法で、新たなドライクリーニング溶剤による試験方法としてジプトキシメン及びデカメチルペンタシクロシロキサンが2019年に規定されていること、また、ISO提案の最近の動向としてQMONOS(クモノス)の話題が取り上げられた。
 最後にISO3758の改正に伴うJISL0001の考察として、ケアラベルの表示法について解説された。JISL0001では7つの記号を規定しているが、最大で6つの表示を想定していることになり、7つすべての表示を推奨する内容の想定はない。しかし、解説で7つの表示を推奨しており記号の省略に関する考え方も記されている。また、繊維製品品質表示規定では消費者への的確な情報提供の必要性から7つの記号表示が望ましいとされている。これらのことから7つの表示が現在運用されている背景となっている。
 規格は5年ごとに見直されていくためISO・JISともに変更されていくことが予測される。ケアラベルについても現状をふまえて今後の流れに注視していきたい。
 このセミナーは蔓延防止措置が解除されてはいたが、感染予防のため入室時の検温やアルコール消毒、マスクの着用などお願いし講演が行われた。