日 時 | 平成29年9月9日(土) 14:00~16:00 |
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場 所 | 金城学院大学 (大森キャンパス) |
テーマ | 『家庭洗濯の最近の動向』
講師:花王㈱ 生活者研究センター業務推進室 室長 桐井 まゆみ 氏 |
内 容 | 洗濯にかかわる要因として、生活者・洗濯機・洗剤・衣類・汚れ・水などの中から 洗濯機・洗剤の最近の変化についての説明と、生活者では、男性の家事参加の洗濯 分担など生活者の現状についても、生活者研究センターの活動 (家庭訪問など)でと らえられた実情や変化について、データを使いながら紹介していただいた。 |
参加者 | 51名 |
衣料品の取扱い上、縁の深い洗濯について洗剤メーカーで消費者と接している立場の講師から、アンケート結果等を基にご講演いただいた。
洗濯に関する変化を考えるうえで、洗濯機が二層式から全自動タイプに代わったのは大きな要因である。そこには、二つの変化があって、ひとつは全自動化により、消費者がどのように洗うかをあまり考えなくなったこと、二つ目は大容量化が進んで洗濯回数が減り、1回の洗濯重量が増えたことである。
2000年代に入ると節水意識の高まりから、2009年にすすぎ1回コースが始まり、その後コンパクト液体洗剤が普及する。この頃にファストファッションが台頭し、安い衣料品が出回ることで消費者の洗濯に対する意識にも変化が見られた。値段の高いものは丁寧に、安いものはそれなりに扱う傾向がみられる。
1900年代における洗濯のテーマは、「白く」であったが、2000年代に入り、白さよりも「ニオイまで落とす」が洗濯洗剤に求められる効果となった。消したいニオイとしては、汗臭、体臭、生乾き臭が筆頭に挙げられる。これらを解消するために、消費者は洗剤の選択、洗い方、干し方から衣料品の組成まで試行錯誤しながら洗濯をしている。
また、洗濯を取り巻く大きな環境変化として、女性の社会進出による家事の分担がある。20~30歳代では、夫の70%が洗濯をするという調査結果がある。
年代別では、年代が上がるほど家事をきっちりこなそうとする傾向があり、洗濯に関しても取扱い表示を確認する、組成を確認する等している。一方、年代が下がると、簡単・便利を好む傾向が強く、洗濯についても見た目で洗い方を判断する傾向が強いという。
衣料品を製造販売する立場として、消費者が実際にどのように洗濯しているかを知る貴重な講演であった。
講演後の質疑応答には、桐井氏とともに、氏にご同行されたファブリックケア事業グループ開発リーダーの村田大也氏にも技術面の詳しい説明をしていただいた。