日 時 | 平成29年5月20日(土) 13:30~19:00 |
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場 所 | 金城学院大学 (大森キャンパス) |
年次大会 |
・代表幹事挨拶 中島代表幹事 ・来賓挨拶 タキヒヨー㈱ 代表取締役社長 滝 一夫 様 ㈱消費科学研究所 取締役社長 島谷 克史 様 ・支部報告 |
特別講演 | 『布・衣服の資源循環について』
講師:尚絅学院大学 環境構想学科教授 玉田 真紀 氏 |
参加者 | 37名 |
懇親会 | 於 浜木綿 守山大森店 |
【年次大会概要】 ・本年度来賓 タキヒヨー㈱ 代表取締役社長 滝 一夫氏
・㈱消費科学研究所 取締役社長 島谷 克史氏
[来賓お二人のあいさつ要約 ]
滝 様:ファッションにおいては、「遊び」の心を忘れない品質管理が大切
島谷様:消費者目線の品質管理を
・平成28年度支部活動報告及び会計報告・会計監査報告
・平成29年度支部幹事・役員紹介
・平成29年度支部活動計画案報告
*本年度は、支部活動に貢献した会員を表彰する功労者表彰は該当者がいませんでした。
【講演概要】 特別講演『布・衣類の資源循環について』
講師:尚絅学院大学 教授 玉田 真紀氏
講演前半は、日本人にとっての布・衣服の価値観を歴史的観点から見た話が中心でした。近代工業化前はもとより、それ以降第二次大戦前においても、綿花が取れない東北や北海道ではいかに布や衣服が貴重なものであったかという史実は、昨年から今年3月まで浅草で開催されていたBORO展で受けた強烈な印象そのものでした。地域的必要性から、すでに江戸時代に江戸や上方に襤褸(ボロ)を商う商人が現れ、北前船によって中古衣料等が東北や北海道に運ばれたという記録が残っており、襤褸を貴重な再利用品として扱う日本の衣服文化は、モノを大切に扱う日本人本来の価値観を思い出させるのに十分でした。
後半は、繊維製品のリサイクルについて。戦後の高度成長を経て、また化学繊維の誕生によって貴重な再利用品であった襤褸が廃棄物という厄介者扱いに変わり、質、量ともにそれまでと全く異なる時代が到来しました。10年ほど前の調査では、日本の衣料品のリサイクル比率は流通量の約10%に過ぎず、リサイクルの促進という時代の要請に対応できていないことが確認されています。詰まるところ、回収された衣料品を再利用する受け皿が地域にあるかないかがポイントのようです。
最後は、事業として衣料品のリサイクルをグローバルに展開する企業がスイスに設立され、日本国内でも環境問題に関心の高い小売業者がその回収ボックスを設置し始めていることから、今後の動向が注目されるとして講演を締め括られました。