2026年度

2026年度 TES会中部支部年次大会 特別講演

日 時 2026年5月23日(土)  12:50~15:00
場 所 名古屋文化短期大学
テーマ 「逆転の発想から生まれた、破壊現象を制御するナノ多孔ファイバーCraze-tex®
講 師 Fiber Craze株式会社 代表取締役社長 長曽我部竣也氏
参加者 50名

講演概要

 2026年度TES会中部支部年次大会は、5月23日(土)に名古屋文化短期大学にて、第一部年次大会、第二部特別講演、第三部懇親会の三部構成で開催された。当日は BLUEMATE GROUP 代表取締役 青木隆幸様、愛知県クリーニング生活衛生同業組合 理事長 箕浦義博様を来賓としてお迎えした。
 第一部では、2025年度行事報告、会計報告・監査報告、2026年度行事計画案等が承認されたほか、来賓より業界の展望を交えたご挨拶をいただいた。支部活動の現状と今後の方向性を共有する機会となった。
 第二部では、Fiber Craze株式会社 代表取締役社長 長曽我部竣也氏を講師に迎え、「逆転の発想から生まれた、破壊現象を制御するナノ多孔ファイバー Craze tex®」と題してご講演いただいた。同社は「ミクロな技術で、人類と地球のミライを織りなす」というビジョンを掲げ、岐阜大学発のナノテクノロジーによってグローバルな社会課題の解決に挑む姿勢が特徴的である。
 講演では、Craze/クレーズ(白化現象)を精密に制御して繊維内部に微細なボイドを形成し、そこへ多様な成分を封じ込める独自技術が紹介された。化学結合ではなく物理的加工で機能性を付与することで、水やエネルギーの削減に寄与する点も強調された。また、マレーシアでの防虫・抗菌実証、シルクセリシンを用いた保湿繊維、冷感成分の応用といった具体例が示され、ミクロの技術が地球規模の社会課題に結びついていることが実感される内容であった。
 さらに、長曽我部氏が愛知出身で尾州産地との結びつきが深いこと、産地の技術力に対する敬意とパートナーシップの重要性を強く認識している点も印象的であった。質疑応答では、技術の実用化や社会実装に関する質問が続き、この分野への関心の高さがうかがえた。
 第三部の懇親会では、来賓と講師を交え、専門領域の異なる会員間での知識共有や、類似分野同士の課題・解決策に関する実務的な意見交換が活発に行われた。参加者の積極的な働きかけに対し、講師や来賓が丁寧に応じてくださり、双方向の充実した時間となった。」

 受験者・会員数減少という課題がある中、学びと交流を深める今回のような機会は一層重要性を増している。TES会中部支部としても、会員の専門性向上とネットワーク形成に資する活動を継続し、地域産業とともに歩む存在であり続けたい。