日 時 | 2022年5月21(土) 14:00~16:30 |
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場 所 | ウィルあいち 大会議室 |
参加者 | 73名 |
第1部 年次大会
(1)代表幹事挨拶
(2)2021年度事業報告
(3)2021年度会計報告・会計監査報告
(4)2022年度支部幹事・役員紹介
(5)2022年度事業計画案
第2部 特別講演
(1)講演テーマ
『脱炭素経営の取り組みについて』
講師:株式会社艶金
代表取締役社長 墨 勇志 氏
(2)講演概要
今回の講演では、艶金様が脱炭素経営の取り組みを始めた経緯についてお話ししていただいた。SDGsには「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」という目標があり、この目標を達成するためには、カーボンニュートラルは欠かすことのできないテーマである。
染色整理業では大量の水や電気を使い、重油・ガスボイラーは多くの二酸化炭素を排出する。艶金様が導入したバイオマスボイラーは、木材を燃やし、熱エネルギーに交換することで重油・ガスボイラーと比較し、4分の1の二酸化炭素排出量に抑えることができる。
バイオマスボイラーを導入したことにより、艶金様はSBT認定取得に向け挑戦した。SBTとは、パリ協定が求める水準と整合した5~15年先を目標として、企業が設定する温室効果ガスの削減目標のことである。環境という着眼点で見るとISO14001があるが、どのように違うのか。ISO14001は自社の活動による環境全般への負荷を最小限にするように定めている。一方で、SBTは温室効果ガスの排出に対してだけだが、自社のみでなく製品に携わる仕入れや消費者の部分まで関与している。最初から最後まで管理していくというのがSBTの魅力だと墨社長は述べられていた。
現状、アパレル業界の実態は大量生産・大量消費・大量廃棄である。1990年と比較して、購入量は横ばいであるが供給量は1.7倍に増加している。どれだけサスティナブル素材を使用し、アップサイクルしても過剰生産していたら意味がない。売れるはずのない量を作り、売り上げを増やし続けるビジネスモデルは持続可能ではない。
安く作って売りながら、廃棄にコストをかけるのは正しいのか。また、企業は消費者に対して購入着数を減らし、良質な服を長く着用してほしいと訴えられるのか。これはアパレル業界全体が見直すべき課題である。実際、SDGsを発信していない企業には魅力がないと感じ始めている中学生・高校生がいるのが現状であり、これからを担う若者に希望をもってもらうためには、すべての企業が改善していく必要があるだろう。