第39回クレーム事例勉強会

TES会 中部支部
児玉 肇


第39回クレーム事例勉強会報告(1)

日時  平成15年8月29日

場所  名古屋市西生涯学習センター

事例  伸び


品名  セーター

原産国 日本製


組成  毛 35%、ナイロン25%

    アクリル 35%、ポリウレタン 5%

表示  ドライクリーニングは、水分を極力さけ短時間処理でお願いします。

取り扱い絵表示
事例提供者業種  クリーニング業者

苦情内容
・2000年秋冬物購入したもので着用後クリーニングしたら寸法が大きくなっている。
検討内容

・タンブラー乾燥で全体的に糸伸びしたのではないか。
・ウレタンの伸びが考えられる。
・セーター内側のリンキング処理が良くない。
・クリーニング後の寸法(9号サイズ)丈伸びの状態は、身丈が52→67p(寸法変化率28.8%)、身巾が44→51p(15.9%)、肩巾が34→40p(17.6%)、袖巾が14.5→18p(24.1%)、袖丈19→26p(36.8%)に伸びている。
・クリーニングに出す前の状態がどういう状況かは不明で原因追及は難しい。
・糸の段階でのセットが不足しているのではないか。
・製品企画に問題があるのではないか。

検討結果

伸びた原因の再現は難しいが、拡大顕微鏡観察ではポリウレタンの劣化破断が複数検出された。ポリウレタンの寿命を業界で明確にしていないが着用後3年もたない耐用物性は問題である。

・このセーターの元の状態が不明であり消費者から販売店相談室に苦情を申し込むのがよい。