第24回クレーム事例勉強会

TES会 中部支部
岩木 由和

報告(1)

日 時:10月19日

場 所:通産省・製品評価技術センター中部支所

参加者:14名

事例:プリーツの変形

品 名:婦人ワンピース

原産国:日本

組 成:表地 ポリエステル100%
    裏地 ポリエステル100%

取扱い絵表示:
<付記> プリーツ部分はスチームアイロン仕上げ厳禁、タンブル乾燥禁止、自然乾燥

事例提供:クリーニング業者

苦情内容

4年前に購入したもので、クリーニング後保管してあったが、着用しようとしたら裾が伸びていた。クリーニング時、消費者もクリーニング店も気が付かなかった。

苦情品の状態

裾部は横方向にプリーツが取ってあり、ダランと伸びている。

検討内容

 1.プリーツの横使い商品であり、ハンガーに架けて保管してあれば自重でプリーツが伸びるのは当然である。

 2.着用中に雨にあたったりしても伸びてしまうのではないか。

 3.タンブル乾燥禁止となっているが、ネットに容れタンブラーの方が良いのでは。

 4.エステルはプリーツセット性が良いといっても横使いでは無理がある。

検討結果

上記検討内容から言ってもデザイナーの企画ミスと言わざるを得ない。


報告(2)

日 時:10月19日

場 所:通産省・製品評価技術センター中部支所

参加者:14名

事例:変色

品 名:水着 

原産国:日本

組成:上 ポリエステル 95%、ポリウレタン 5%
   下 綿100%(ラベル取れているので推定)  


取扱い絵表示
:無し

事例提供者業種:染色整理

苦情内容

海で1回着用し洗濯、この時は問題無かった。二度目にプールに行き、海水プールに入ったら下のほうだけ色が落ちてしまった。メーカーは同じ物を送ると回答している。


苦情品の状態

 セパレートタイプの水着で上下の素材は異なっている。綿100%と思われる方が写真のように脱色している。(綿と推定したのは消費者が肌がちくちくする為、組成表示のラベルを切り取ってしまっているため)

検討内容

 1.水着の変色クレームは過去にも多くある。特に流水プール、海水プールに多い。

 2.海水プールは海水と消毒用の塩素の相乗効果で、通常の塩素堅牢度が合格であっても問題が起きる。

 3.セルロースは染料の特性からしても塩素堅牢度の弱いものが多い。

 4.ラベルが切り取られて無いため、デメリット表示が有ったのか解らない。

 5.メーカーが同じ物を送るということは、同じトラブルが起きるということであり、無責任ではないか。

 6.ラベルなどの取りつけ位置を吟味しないと、今回のように切り取られてしまい、本来のラベルの意味が無くなってしまう。

検討結果

染料的に見ても、セルロース系の水着には無理がある、少なくともデメリット表示をすべきである。