第22回クレーム事例勉強会
TES会 中部支部
岩木 由和
報告(1) |
日 時 6月16日 場 所 通産省・製品評価技術センター中部支所 参加者 12名 事 例 クリーニングでの外観変化 品 名 婦人ブラウス 原産国 中国 組 成 ポリエステル/レーヨン 色 柄 ポリエステル黒・レーヨン茶の生地をオパ ール加工で柄出し、手絞りによる総絞り商 品 取扱い絵表示 |
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付記及び取り扱い注意事項
○石油系溶剤を使用し短時間で洗ってください、自然乾燥を行いスチームアイロンは使用しな
いで下さい。
○ 洗濯またはドライ後は平干しを行ってください。
○ 雨に濡れた場合は速やかに水気をお拭き下さい。
相談者 クリーニング業者
相談内容 石油系で洗ったが部分的に絞りが伸びて変形した。メーカーに問い合わせたところ当方に責
任は無いと言っている。石油系で平干しはクリーニング店としては環境問題もあり出来ない
と言うとやらなければ良いではないかと言われた。最後には送り返せと言っているが、消費
者段階で出来ないような取り扱い表示で販売すること自体に問題があるのではないか、又、
クリーニング店としてどう対応したらよいのだろうか。
検討内容
1 肩部及び脇部に絞りの状態が大きく変形しているのが見受けられる。
2 原因が何であったかは特定できないが、取り扱い注意事項からすると物理的な力が加わると変形す
ること、特に濡れた状態で物理的な力が加わると容易に変形することが推定できる。
3 このような取り扱い表示は問題含みである、クリーニング店としては打つ手がないので、消費者に
お願いして消費者センターに持ち込んでもらったらどうかという意見があった。
報告(2) |
日 時 6月16日 場 所 通産省・製品評価技術センター中部支所 参加者 12名 事 例 クリーニングでの汚れ 品 名 パンツ 原産国 日本 組 成 綿97%、スパンデックス3% 色 柄 エンジ 取扱い絵表示 |
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相談者 クリーニング業者
相談内容 石油系ドライクリーニングして、タンブラー乾燥したところ樹脂(?)がしみ出てきた。触ったらねとねとしていた。商品は98年秋冬物で事故が起きたのは99年12月であった。メーカーは古いものであり在庫もないのでと、対応を拒否した。
検討内容
1 生地の表と裏を比べると表側に樹脂加工(コーティング)されていることが明白である。
2 分析をしないと断定は出来ないが、ウレタン系の樹脂加工がされている可能性が高い。石油系のクリーニングであっても、キュアーが不足であればこのようなことが起こり得る。
3 マイクロスコープでの目視では樹脂の溶融が見うけられる。 | ![]() |
報告(3) |
日 時 6月16日 場 所 通産省・製品評価技術センター中部支所 参加者 12名 事 例 クリーニングでの変色 品 名 婦人スーツ 原産国 日本 組 成 レーヨン55%、キュプラ45% 色 柄 グレー 取扱い絵表示 |
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相談者 クリーニング業者
相談内容 消費者が着用しようとして変色に気がつ
き、苦情があった。5年くらい前のもの
でクリーニングは3〜4回目である。
検討内容
1 正面からは見えづらいが、ある角度で縦方向に筋状に濃くなっているのがよく見える。
2 変色という苦情であるが、よく見ると変色ではなく皺である。
3 この商品はピーチ風仕上げで擦れ・皺が発生しやすいものである。
4 折り目をまたいで皺が続いていることから整理工程で発生したものであり、補修で直ったように見
えていたものがクリーニングを繰り返すことにより復元したか、もしくは皺のまま販売されたがた
またまこれまで気がついていなかったかのどちらかであると思われる。