23年度

平成23年度 品質と技術に関する講演会 (平成23年度最終行事)

日 時 平成24年4月21日(土)13:30~17:00
場 所 福井県工業技術センター 多目的研修室
内 容 ①「最近のスポーツウェアの動向」
   ミズノ㈱ 商品開発本部 技術開発部  高島 嘉守 氏
②「アパレルの品質管理と クレーム事例」
   ㈱ビームス 商品統括本部 品質管理室 顧問 加藤 峰雄 氏
③「2月 繊維製品研究会の総括」
   TES会北陸支部 事務局 大木 信雄 氏 (QTEC 参事)
参加者 64名

講演会要約

高島氏
商品開発の第一線におられる立場から主に 夏用のクーリング素材開発の着眼点と 衣服圧とスポーツウェアの設計等について お話し頂いた。
(1)熱伝導性の高いエチレンビニルアルコールを鞘に使った芯鞘構造繊維や トリアセテートとジアセテートをセルロース化した繊維を活用したニット地、熱伝導性と屈折率が低いポリプロピレンを芯に使った芯鞘構造繊維など、「吸放湿性、乾燥性、通気コトロール、UVカット」等のキーワードで表現される機能性を 原糸メーカーとの共同開発で実現の経緯を。
(2)また、次世代の商品開発の為に、運動時の皮膚の歪み(動き)や衣服圧、人体の各部位の発汗の状況などを正確に測定し、動きやすさや 運動能力を高める機能性を付与する素材の配置やパターンの作製は どうすべきかを研究・開発されている状況をお話し頂いた。
スポーツウェア開発の視点は 大変 興味深いものであり、大変 勉強になった。

加藤氏
(1)クリーニングの研究所に20年おられたご経験から、ドライクリーニングを主に商業クリーニングの工程の実際(洗濯物から溶剤中に溶出した汚れの行方は等を含む)について、
(2)大手アパレルメーカー(20年勤務)の品質管理のシステムの概要と、「製品の品質は、検査を強化するより、設計や工程段階で作りこむことが大事」という点を、
(3)セレクトアパレル(現在、勤務)のモノつくりのシステムと品質管理の概要を、
(4)クリーニング~アパレルを通じて経験されたクレーム事例(色泣き、変脱色、移染、白化、カーリング、糸がえり、プリーツの消失等)についての解説と、多岐に渡って貴重なお話しをして頂いた。お話とともに、ご提供頂いた配布資料は 氏の熱意が感じられ、TES会員にとり、大変価値のあるものである。

大木氏
2月の研究会で討議された9つの苦情事例について、それぞれの発生原因解析の為の詳細な試験結果の資料がカラー印刷物として配布され、発生原因の考察のプロセスを話された。苦情事例解析の着眼点、解析手順の参考となる。